鮭を“刺身”(生)で食べたことってありますか?
“ある”という方は、それって“サーモン”若しくは、“サーモントラウト”ではないですか?
“鮭”を英語で、“サーモン”だから、同じじゃないかという声が聞こえてきそうです。 確かに、そう言われてしまえばそうなのですが、食品としての表記では、そのあたりが何やらややこしいようです。お寿司屋さんや魚屋さん、スーパーの魚売り場で、“鮭”、“サーモン”、“サーモントラウト”という表記のものを同時に見かけたことはありませんか? 日本で、朝食によく出てくる 焼き鮭や鮭おにぎり、お茶漬けなどの、一般的に“鮭”と呼ばれているものは、生(刺身)では食べられないのだそうです。 では、“刺身”(生)で食べている“サーモン”や“サーモントラウト(トラウトサーモンは種類ではなくて商品名だそうです)”とは何なのでしょうか? これらは、海洋で養殖されているマス(鱒)だそうです。
マス(鱒)? 鮭じゃないの!? と思ってしまいます。 マス(鱒)ですが、生物学上、サケ目サケ科に属し、サケ類と呼ばれる魚以外のサケ科の魚をまとめた総称だそうで、サケとマスの境界が 厳密でないため、国により区分方法が異なるそうです。 鮭とマス(鱒)の違いは、何やらややこしいので、ここでは割愛させていただきます。興味のある方は、ご自身で調べてみてください。
生(刺身)で食べられるか食べれないかの違いは、寄生虫に関係あるそうです。一般的に“鮭”には“アニキサス”という虫がおり、これが人間の体内に入ると猛烈な 腹痛と嘔吐を引き起こすそうなので、生(刺身)では食べられないそうですが、アニキサスは低温に弱く、マイナス20度以下になると死んでしまうそうで、ルイベにするために一旦冷凍すると、寄生虫の問題がなくなるそうです。
では、生(刺身)で食べられる“サーモン”ですが、これは、ニジマスなどサケ科の魚に寄生虫が付かないように、抗生物質等の入ったエサを与えて養殖しているため、“刺身”として食べられるそうです。
因みに、“生鮭”とは、生(刺身)で食べられると言うことでなく、“生の状態”ということだそうなので、必ず加熱調理が必要だそうです。気を付けてください。 魚介類で、生(刺身)で食べることができるのは、“生食用”や“刺身用”などの表記があるそうです。
ところで、鮭やマス(鱒)は、“白身魚”だそうです。身が赤い(ピンク色・オレンジ色)のは、アスタキサンチンというカロチノイド系色素によるものだそうで、甲殻類のプランクトン(アミ類もその一つ)を食べることで、アスタキサンチンが蓄積され、身などが赤っぽくなるそうです。
最近では、日本各地でもサーモン(鮭か鱒かはわかりませんが)の養殖が行われるようになり、餌を工夫するなどした、ご当地サーモンなども増えているそうです。